正規雇用と非正規雇用23 業界研究のススメ 最初の企業

業界研究のススメ ~ テーマ③ 最初の企業

先の記事で、皆さん新卒者には業界研究の必要が薄いという話をしました。

では結局この時代で安定して働ける術は何なのか。

そして業界研究をせずに決める仕事で、あなたは何をすればいいのか。

今回のテーマは『最初の企業』です。

逃げるは恥だが役に立つ

いきなり後ろ向きな話ですが、内定を貰ったら、その会社を辞める時のことも考えておきましょう。

結局のところ先のことは誰にも分かりません。

自分の業界、自分の会社が100%安全なんて保証は誰にもすることは出来ません。

となると結局のところは、『ヤバくなったら逃げる』しかないのです。

そのために常に逃げる体勢は万全にしておくしかありません。

世の中は『逃げ場がある』人は圧倒的なアドバンテージがあります。

『仕事がつまらなくても家業を継げばいい』『次の仕事のコネがある』など、次の居場所があることは精神的にかなり余裕をもたらします。

常に逃げることばかり考えるのはお勧めしませんが、常に心のどこかには撤退の選択肢を宿しておきましょう。

では、次の居場所を確保するとはどういうことでしょうか。

今の会社のルールが絶対とは限らない

それは『どこに行っても通用する人になる』しかありません。

例えばあなたは最初に入った会社で営業マンをやったとします。

そこであなたはこんな営業方法を教わったとします。

『多少強引でもいいから飛び込み営業をやって、気弱そうな客にガンガン押しをかけて買わせてしまえ。

契約してしまえばこっちのものだ。

それで駄目なら毎日通って泣き落としだ。ノルマが達成できないなら土下座してでも買ってもらえ』

この営業方法は確かにその会社では通用するのかもしれません。

ですがこれは一歩間違えれば押売りです。

全ての場所で受け入れられる方法ではありません。

つまりこれは、あなたがその会社にいるから評価されるスキルであり、別の会社に行けば全否定される可能性のあるスキルです。

このような極端な仕事のやり方しか学べなかった人は、異業種の転職はおろか、同業種の転職すらままなりません。

新卒の社会人が最初に選ぶ会社で最も選んではいけないのは、このような『その会社でしか通用しないルールばかりを身につけさせる会社』です。

終身雇用の保証がない今、そんなやり方ばかりを身につけて年齢を重ねると、スキルアップをしたくても年齢的に手遅れになっていることも多いのです。

むしろ歳を取ってから失業しても、最低限のことも出来ず、次の仕事もままならなくなってしまいます。

若いうちにちゃんと教育を受けられなかったことは、あなたの視野も人生の選択肢も大きく狭める取り返しのつかない事態を生むことになります。

最初の企業は『教育訓練の場』

私も社会人を始めてすぐ倉庫のオープニングスタッフとして配属されました。

先輩も含めて仕事は手探りだったので、私は何の指導も受けずに手探りで仕事を構築したのでかなり特殊なスタートだったと思います。

幸い売上や作業進捗の数字は良好で私はすぐに仕事を認められ、2年で責任者になりましたが、私は当時、自分の我流で構築した仕事の脆さが気になっていました。

私も内定取消を何度も受けた身の上、身元保証人がいないので、自分の仕事がどこにいても通用するという手応えが欲しいと考えていました。

その中で自分の仕事はこの倉庫内なら通用しますが、外に出たらどうなるか分からないということが気になり、会社を辞めました。

そして次の会社に入ったのですが、結果はボロボロでした。

最低限のビジネスマナー、言葉遣い、ネクタイの巻き方、話し方、全てがなってないと酷評されました。

『お前の親はろくなことを教えてくれなかったんだな』など屈辱的な言葉も沢山浴びました。

完全に『馬鹿』として扱われました。

ですがその当時の私には必要なことだったと思います。

あと数年遅ければ取り返しがつかなかったと思います。

『森』を見る前に『木』を見ろ

私が新卒の皆さんに重要と感じて欲しいのは、このようなことです。

私は最初に入る企業の業界は何でもいいとさえ思います。

あなた達に重要なのは、『その会社はちゃんと自分を教育してくれるか』です。

営業で押売りを勧めたり、根性論やミスをした際に懲罰の暴力、帳簿作成をExcelでなくノートで作成する、お客様を騙してサービス料を取る契約を勧めるなど、時代錯誤な方法や『外法』しか教えない会社にいると、そこにしか居場所はなくなります。

『木を見て森を見ず』という言葉がありますよね。

視野の狭さを戒める慣用句ですが。

ですがあなた達はまず自分の宿り木になる『木』、すなわち企業を見てください。

ここの選択を誤ると、その後の『森』、すなわち業界など見るどころではないのです。

業界の事は後からでも見れます。

先に観察しなければいけないのは業界よりまず企業です。

業界の質より企業の質を最優先に見てください。

次回に続きます。

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