業界研究のススメ ~ テーマ② 未来
前回の記事では『独占』をテーマにした業界の予測について説明をしました。
ですがこれはあくまで一部分のものに過ぎません。世の中には無数の業界があり、その中から一つを取捨選択するのは容易なことではありません。
今日はその業界研究から『未来』をテーマに話をしたいと思います。
とは言え私も全ての業界を見たわけではありませんし、その業界の未来予想はもっと詳しい人が沢山いて、本などで啓蒙活動を行っている方が沢山いらっしゃいます。
そういうことが知りたいなら、そんな専門の方の本を読むのがよいでしょう。
今回私は個々の業界の『未来』を語ることはしません。
業界の未来と新卒の就活についての関連について語りたいと思います。
やりたいことが決まっているか
これから就活を始める人には二種類の人がいます。
既にやりたいことが決まっている人と、そうでない人です。
もうやりたいことがある人の場合、その業界が如何に斜陽と言われていてもやりたいのであれば、それを諦められるかどうかが焦点になるだけです。
なかなか自分の気持ちを偽るというのは難しいものです。
その人達はこれからその自問自答に時間を費やしてください。
諦めることを選ぶならこれ以降で話す、やりたいことが決まっていない人の業界の決め方を選べばいいだけです。
ただ私見を述べさせていただければ、なりたいものがある人は簡単にそれを諦めないでください。
私も金銭的な理由でなりたいものになるのを諦めた経験をしていますが、その後悔はどこまでも付きまといます。
それに思い入れのある仕事とそうでない仕事では、あなたの仕事を通じて得る経験値の吸収率がまるで違います。
結局は好きなことを仕事にすることは、自己の成長を考えたら最善の選択です。
世の中はそれほど単純ではない
今回焦点を当てたいのはやりたいことが決まっていない人です。
これらの人はより安定感があり、収入も安定し、楽な仕事はないのか、とか考えているような段階ではないかと思います。
逆に危ない業界を探し、避けようという思考が働いているのではないかと思います。
ですがはっきり言います。今の時代に『安定の業界』はありません。
正確にはあるかも知れませんが、それはその業界に長くいる人、それもその業界を動かす中枢にいなければ分からないことです。
実際私が就活をしたリーマンショック時も業界の未来を憂える声は沢山出ていました。
例えば出版や印刷業界は今後紙媒体が衰退するから未来はない、といったものです。
今年漫画に関して言えば電子書籍の出版数が紙書籍を上回ったという報道がありましたし、これは正しい未来予想だったのでしょう。
ですがそれに反して、意外なことも沢山起きています。
当時栄華を誇っていたSHARPや東芝の急落などはまさにそれです。
最近ではみずほ銀行をはじめ、メガバンクが人員の大量削減を決定したり、それまで安定だったものが足許から一気に崩れ去ったパターンです。
先のことなど誰にも分かりません。
むしろ『この業界に未来がある』『こっちに未来はない』という業界レベルの未来予想から、更に範囲を絞って企業の未来まで見えるのであれば、あなたは働く必要などありません。即デイトレーダーになって生計を立てることをお勧めします。
確かに見るからに明らかに危ないという業界というのも存在しますが、2018年現在のその業界大予想が100%的中することはまずありません。
世の中とはそれほど単純なものではないのです。
業界の未来を憂える必要はない
はっきり言って新卒のあなたがこれから入る自己の業界の未来を憂うる必要はほとんどありません。
何故ならその入った企業があなたの『終の棲家』になる可能性が薄いからです。
終身雇用制度はとっくに破綻している今、現代の社会人の多くは転職を経験します。
実際あなた達新卒者も、近年は3人に一人は新卒で入社した会社を3年以内に辞めるというデータも出ています。
あなた達も3人に1人は今の会社を辞めます。
そのひとりはあなたかもしれません。
私自身も50代以上でなら20年以上同じ会社にいるという人に会ったことがありますが、40代以下で転職を経験していない社員という人には滅多に会ったことがありません。
つまりその業界に未来がないと思ったら、あなたはいつでも辞められます。その業界に骨を埋め、一生を捧げるといった選択を強いられるのは終身雇用制度の盛んだった一昔前の就活です。
業界の未来を憂うる必要が出てくるのは、社会人としてそこに骨を埋める覚悟をする選択を迫られ出す時期です。
具体的に言えば異業種転職のハードルが上がるとされる30歳を過ぎる頃ですね。
あなた達はまだ時間があります。
今はやりたいことを追ってよいのです。
悲観的なニュースに惑わされず、楽観論でまず社会に飛び込んでください。
それよりも見なければいけない大事なことは他にあるのです。
それについては次回に説明します。
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