正規雇用と非正規雇用6 非正規雇用の待遇

差別との戦い! 比較してみる『非正規雇用』…待遇編

 

さてここで問題です。

私は大学時代3社の内定を貰いましたが、

どの企業の正社員にもなれませんでした。

『ならなかった』のではなく『なれなかった』のです。

つまり私は辞退をしていません。

 

しかし内定後に入社できませんでした。

 

何故だと思いますか?

 

その理由は、『私には近親者がいなかったから』です。

 

内定を得ると企業から書類が届き、

その欄のひとつに自身の身元を保証する身元保証人の提示欄があります

(大体6親等以内とか書いてある)。

両親が離婚して親族の家を高校卒業まで転々とし、

その際に親戚とも疎遠になった私はそれが提示できなかったのです。

 

特に契約を扱う企業はこのようなものの提示にシビアです。

 

私の志望業種もそんな職種だったので、

はじめから可能性は低かったのです。

私の時代はリーマンショック真っ只中。

 

面接中に

「私には親がいないのですが、保証人なしでも入れますか?」

と聞いて途中で落とされるのが怖くて、

結局内定を貰ってから相談という形になってしまったのでした。

 

保証人制度は日本独自のものと言われますけど、

当時の私はそりゃショックでした。

 

今回はそんな話から、

非正規雇用者の『立場』に焦点を当てたいと思います。

 

非正規雇用者は信頼がない?

 

再び私事で恐縮ですが、

両親がいないというのは地味に辛いです。

 

例えば部屋を借りる時、

絶対に保証会社を使わなければいけません。

これを頼むために毎年1万円ほどの金が引き落とされます。

 

保証会社を使っても大家さんに入居を拒否されることもあります。

 

現在連帯保証人の危険は皆が知るところなので、

融資の相談も厳しいです。

 

何より親がいないだけで

『問題がある家庭の生まれ』と見なされることが辛いです。

 

実は非正規雇用者もこれと似たようなものです。

 

職場での賃金などの立場が正社員と対等でも、

日常生活の制限がかかります。

 

一例としてクレジットカードです。

正社員は申請すればほぼカード会社の審査が通りますが、

非正規雇用者はこの審査の突破率がゼロではありませんが低いです。

 

銀行の融資相談になるとほぼ絶望的と言えます。

 

将来的に家を買うことも難しく、

車のローンを組む際にも資金的にはいけても

審査に通らないこともあります。

いざという時には

国がフォローする生活保護受給者よりも踏み倒しを警戒され

敬遠される場面すらあります。

 

社会的に『弱者』として扱われており、

まだそのセーフティネットがないのです。

非正規雇用者に高いスキルを求めるのに…

実は現在

非正規雇用者の質を求める企業が増えています。

ある外資系企業では、

派遣社員に求める条件が

『アメリカ人と会議ができ、大体の通訳が可能な英語レベル』でした。

これはTOEICで言えばスコア700点以上に準ずるレベルです。

 

そんな人がいたらとっくに正社員だろ、

と突っ込みたくもなります。

 

ですがそれだけ企業が高スキルを求めているのに、

非正規雇用者がそのスキルを持っていても

『非正規雇用だから』というだけで就職、転職活動で評価されません。

 

理由は『正社員と同じ仕事はできないんだろ』と判断されるからです。

 

確かに一昔前はそうだったかもしれませんが、

現代は非正規雇用者でも正社員と遜色ない仕事を任されていることが多い

のにも関わらず、認めてもらえません。

時代が今後変わる兆しもありますが、

現時点では非正規雇用を長く続けていても、

その期間の職歴がアピールにならず、

正社員になる転職は歳を追う毎に辛くなるのです。

 

そして社会的にだけでなく、

職場内でも絶対にヒエラルキーに巻き込まれます。

 

雇用の不安定という中で

どうしても非正規雇用者は今の職に長く就くことを考えてしまいます。

 

社会の中に残念ながらそれを知って、

非正規雇用者を逆らわない従順な下僕のように見る者も一定数います。

 

仕事をミスすれば

「これだから派遣は…」

と言われる環境があることは間違いのない事実です。

 

その逆を言えば反抗的と見なされ契約解除に進展しかねないのですが…

絶対に差別が付きまとう

私が非正規雇用から正社員になれて嬉しかった理由は二つです。

 

一つは昇給や社会保障、賞与の権利を得たことです。

もう一つは他の正社員の指示を聞いてそれをこなすだけ、

という仕事から前進できたという点です。

 

仕事の裁量や

これまで蚊帳の外で聞かされなかった情報が自分にも入るようになり、

何となく『人権を得た』ような気になったのを今でも覚えています。

 

非正規雇用でいる限り

正社員の指示をこなすという

見えない上下関係は確実に存在します。

 

そしてそれをこなしていても、

前に進む道は開けないのが事実です。

 

どんな詭弁を並べても、

『非正規雇用者』はどこでも一歩下に見られるのです。

 

『弱者』と見なされなめられることは非常に悔しいことです。

 

この悔しい思いを味わいたくないなら、

絶対に正社員になることです。

 

どんな企業でもいいので『正社員』は最優先に考えることをお勧めします。

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