恐怖のブラック企業!敵は己の中にいる!
『ブラック企業』は今や就活のパワーワードです。
ですがこれ、今から5年前の2013年の
流行語大賞にノミネートされた歴史の浅い言葉です。
『今でしょ!』と同い年ですね。
初めての就活をしている方は、
まだ見ぬ『ブラック企業』に騙されないかと
怯えているのではないでしょうか。
今回はそんな『ブラック企業』を取り上げたいと思います。
明確な定義はない?
一般にブラック企業の代名詞といわれるのは
・コンプライアンス無視
・サービス残業や過労死ライン
(一般的に月70時間以上)の残業の常態化
・各種ハラスメント
・低賃金
・高い離職率
こんなところです。
ですが『ブラック企業』という言葉は
まだ歴史が浅いのです。
なので明確な定義はまだ確立していない
と言えるでしょう。
つまり現時点で
この名前を冠する基準は
主観的なものなのです。
定時で帰れる公務員を基準にしたら
月10時間の残業でもブラックと
感じる人もいるかも知れません。
実体があるようで、ない
とも言えるのがこの名詞、
『ブラック企業』です。
電通はブラック企業なのか?
ひとつの例として『電通』を挙げます。
電通の女性社員が
24歳で過労死自殺をした
という報道は警察や国も巻き込み、
ネットでは2016年のブラック企業大賞に選ばれたという、
近年馴染みの深い就活ニュースです。
しかし私がこの報道を見て思った感想はこうでした。
「これはどういう世論の判断が下るのだろう」
電通といえば日本最大の広告代理店です。
社員の平均年収は1000万オーバーというデータもあります。
加えて電通はブランド力があります。
合コンに出れば大抵の異性はちやほやするでしょう。
銀行の融資も審査はほぼフリーパス。
俗に言えば『勝ち組』認定されるわけです。
電通がそれだけの給与とステータスを
社員に与えることも事実なのです。
実は私もこの事件の数年前まで、
過労死認定された女性と同じかそれ以上の残業を4年していました。
武勇伝にするつもりはありませんが、
月の休みは4日、
月残業時間は120時間を切ることはありません。
朝8時出勤、
日付の変わる頃退勤という生活です。
私だけでなく国の定めた過労死ライン、
月70時間を超えて働いている人の絶対数は、
残念ながらそう少なくないのが現状です。
そうして働いても月の給料は電通社員の半分も貰えないのです。
これが低賃金であれば「ひどい話だ」と思ったでしょう。
ですが私はそんな現場にいたので
「でも電通でしょ?代わってほしい」
と思ってしまいました。
これを保護するなら
あの時の私達も言えば国が助けてくれたのかとさえ思いました。
年収1000万を稼げる仕事がそんなに甘いわけがないのです。
年収1000万の仕事の責任の重さは桁違いです。
逆に20代で悪代官のように、
黙っていても金が懐に入るような話の方がおかしいとも思いませんか?
これはあくまで私の主観です。
亡くなった電通社員の女性や遺族にとって
電通はブラック企業だったという意見は
間違いなく正しいと思います。
私が残業に対しての感覚が麻痺していることも認めます。
この議論の焦点は、
仕事で何が辛いかは人によって異なるということです。
自分の『ストレス耐性』を知る
私は
『週20時間の残業(残業代あり)』と
『週3回上司との飲み会に二次会まで参加
(領収書で会計)』
のどちらかを選べと言われたら、
『奢り』でも迷わず前者を選びます。
過去に
酒好きの上司の
体育会系のノリの飲み会についていけず、
社会人になってまで
毎回吐くまで飲まされた経験から、
私は仕事での飲み会が苦手です。
当時は
毎日酒が体に残って仕事をしなければいけないため、
肉体的、精神的に弱る上、
奢られるわけでもないので
金銭面でもきつくなってきます。
その果てに
「ああ、私は残業には鈍いが人間関係には過敏にストレスを感じるんだな」
と学びました。
ですが人によっては後者を選ぶ人もいることでしょう。
それを考えることが重要なのです。
就活中の人にアドバイスしたいのは、
『ブラック企業』という名詞は
非常に主観イメージが強い単語だということです。
他人は決められません。
結局は自分がどう思うかです。
そして、ストレスのかからない仕事など基本存在しません。
私はブラック企業を避ける方法は
『自分のストレス耐性を知ること』だと考えます。
残業、人間関係、責任、出世、お金――
あなたは何にストレスを感じ、また感じないのか。
それを知ることで
あなたなりの『ブラック企業』の定義化をしましょう。
まず自分のワークライフバランスを研究してみるのもいいと思います。
例えば
短期バイトを掛け持ちして
一日12時間働いてみて
自分の体はどう感じるか。
Wordでひたすら小説を丸写しにタイピングして
デスクワークがどのくらいできるか、
予行演習してみるのもいいと思います。
まずは企業と自分を『見る』事、『知る』事です。
続ければ続けるほど精度が上がります。
就活後の人生にも大いに役立つ学びがそこにはあるでしょう。
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