業界研究のススメ テーマ⑤ 教育
前回の記事では改めて業界研究の前に、企業の研究をする重要性を説きました。
先に言っておきますが、だからと言って業界を研究することが全くの無駄だという気はありません。
むしろもうやりたいことが決まっていて、その業界で生きていく覚悟ももう決めているのであれば業界研究は絶対に必要です。
逆に言えばそれだけの思いを今の業界に持っていない、もしくはそこで生きていくしかない状況にならない限りはそれはあまり意味がないということです。
ですがどんな人でも企業を研究することは絶対に必要です。
人間は組織によって影響を受けるからです。
これはどの業界も、年齢、経験関係なく同じです。
これは絶対に無駄になりません。
就活は時間との勝負です。
皆さんの中にはまだ単位が取れていなかったり、就活に使う履歴書や交通費を捻出する為に、アルバイトをしながら就活をしている人もいるでしょう。
時間がないのであればとにかく企業を見ることを第一に考えましょう。
その後のことは入った後でもいくらでも挽回できます。
基本を固めろ
スポーツと同じく、社会人にとっても基本は大事です。
あなた達が社会人に入ってまず身につけたいのは、その基本です。
具体的に言えば、電話の応対、ビジネスメールの打ち方、敬語の使い方などです。
これはどの企業に行っても共通して使えることです。
そこから派生してOfficeの使い方や契約書の作成など、業種によって必要な基本事項を身につけていきます。
基本が出来ていれば大抵のことに対応できます。
例えば契約書も、不動産の契約書が作れる人は他業種の見積書を作ることはそう難しいことではありません。
実際私も医療現場の見積等は転職して1日で作れるようになりましたし。
最初の企業でこのような汎用性の高いスキルを身につけて、その後の社会人生活をスムーズにするだけでなく、今後の選択肢の可能性を広げたいものです。
逆に基本がないまま歳を取ってしまうと、それだけ仕事の選択肢は減ってしまいます。
それを避けるためにも、最初の企業は業種以上に、そのような基本を身に付けさせてくれる企業をお勧めしたいわけです。
『兵士』になるな
ですがそれは理想論で、そういう企業ばかりでないことも事実です。
何故なら多くの企業は『社会人』ではなく『兵士』を養成しているからです。
これは人手の慢性的に足りない企業で起こることですが、人手不足の企業はとにかく目の前の仕事の消化方法だけを社員に徹底的に叩き込みます。
そしてその仕事をこなすことしか考えられないほど社員を消耗させます。
それを続けるうちに時間を消費し、その会社でしか使えないスキルだけを蓄積し『その会社以外に居場所がない』状態にするわけです。
人手のない職場が人を辞めさせない為に最も有効な手段が、このように『社員の思考、視界を狭める』方法です。
いわゆる『歯車』といわれるやつです。ただ回すだけになる仕事です。
このような職場では自身の成長を促進する環境がありません。
人手の足りない企業の共通項は『残業が多い』『離職率が高い』『大量採用をする』です。
残業が多い会社はそれだけ忙しく、新人の面倒を見る先輩も居ないことが多いです。入社半月も経たずに現場にひとりで入れることもあるでしょう(私は入社初日でしたが…)。
離職率の高い会社はそれだけノウハウが蓄積せず、面倒を見ることの出来る経験豊富なベテランがいません。
当然面倒を見る人が不足しています。
大量採用をする企業は当然新人の管理がどんぶり勘定で行われます。
新人教育は現場任せの場合がほとんどでしょう。
これらの企業は構成員を成長させる土壌がないので避けた方がいいでしょう。
敢えて避ける業界を選ぶとしたら
私も慢性的に人手の足りない現場に社員として配属されましたが、なかなか酷いものでした…
賃金が近隣で最低だった為に離職率が高く、従業員にノウハウが蓄積しません。
ノウハウのない従業員を使い続けるのだから作業効率も上がってきません。
新人応募が来ても現場で面接できなかったので、賃金の安さから楽な仕事と勘違いした人が多く、すぐ辞めてしまいました。
すぐ辞める人のために教育を施す時間も残業時間の増加を加速し、人が定着しないので教育に延々時間を取られていました。
大量採用や離職率の改善を推し進められない企業は結局教育が負担になり、いつしか教育がおざなりになるループにはまります。
私も責任者になってその改善を会社に訴えましたが、その説得すら2年以上かかって会社も腰が上がったような感じでした。
人手不足の企業は分かっていてもその改善に時間がかかり、その発想もありません。
私は新卒の方が選ぶ業界自体は何でもいいとは言いましたが、敢えて避ける業界を選ぶとしたら、
以前の記事で述べた『業界を独占するモンスター企業のいる業界』と『慢性的に人手不足の業界』ですかね…
これらは色んな意味で危険です。
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